脳卒中とつながりの深い「心臓病」
脳卒中の患者さんの5人に1人は、心臓の病気を合併しているという報告があります。脳卒中で入院した患者さんが心筋梗塞を起こすこともあります。
狭心症、心筋梗塞といった心臓の病気も、脳卒中も、同じように「血管の病気」です。動脈硬化によって血栓ができ、血管が詰まったり、流れが悪くなることが大きな原因であり、場所が脳だったか、心臓だったかの違いです。
血管を詰まらせる「動脈硬化」
動脈硬化は、動脈が加齢により硬くなったり、内側に様々な物質が沈着して血管が狭くなり、血液の流れが滞る状態です。糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙が、4大危険因子といわれています。
治療にあたっては、まず、食事療法、運動療法、薬物療法などを行い、血管がそれ以上悪くならないように対処します。しかし、脳卒中や心臓病を発症した方では、すでに動脈硬化が進んでおり、血管のつまりを機械的に広げる治療が主流になります。できるだけ、脳卒中や心臓病を起こすまえに、動脈硬化をみつけ、早期から治療を開始することが重要です。当院では、ABI検査で動脈硬化のリスクを判定しています。ABI検査は、手足の血圧を同時に測定し、その値から動脈硬化の程度を調べるもので、10分から15分程度で終わります。
早めの受診、検査を
健診などで異常値を指摘された方、脳卒中や心臓病を経験したことのある方は、ぜひ病院で受診し、検査をうけましょう。大きな動脈瘤のある方など、検査を受けられない場合もありますので、詳しくは専門医にご相談ください。