ガンマナイフは頭部のがん(脳腫瘍)等に、まるで虫眼鏡で太陽の光を集めるように、ガンマ線を集中的に照射する治療装置です。
ガンマナイフのような「小さな照射野で線量を集中的に照射する治療法」を「定位放射線治療」といい、ガンマナイフ以外にもいくつかの治療機器があります。脳腫瘍を治療するとき、ガンマナイフは他の治療機器と比べ、周囲の正常な脳の被爆をとても低いレベルに抑えられることを特徴としています。また、開頭手術のように、身体へ切開を加える必要がありませんので、負担が少なく、短期間での入院・治療が可能です。世界的にも、良好な治療実績を蓄積しており、脳神経外科では重要な治療法の一つになっています。
脳神経センター大田記念病院では、2009年に広島県東部で初めてガンマナイフ装置を導入し、2021年には、「ガンマナイフicon(アイコン)」に更新。従来のピンを使ったフレームベースの固定方法に加えてマスク方式を採用。新たな治療法により、分割照射がより容易になり、比較的大きな腫瘍や、多数個の病変に対する治療ができるようになりました。広島県東部では、当院のみに設置されており、2020年までの12年間で2,000件を超える治療実績があります。
当院では、転移性脳腫瘍(肺がんや乳がんなど、身体の他の部分から脳に転移したもの)、前庭神経髄腫(聴神経腫瘍)、髄膜腫、下垂体腺腫、三叉神経痛、脳動静脈奇形などの治療をガンマナイフで行っています。これらの病気の治療法にお悩みの方は、ご相談ください。