診察受付時間

平日 再 来 8:00~16:00(予約制)
新患・予約のない方 (午前)8:30~10:30
(午後)13:30~16:00
土曜 再 来 8:00~11:00(予約制)
新患・予約のない方 (午前)8:30~11:00
(午後)休診
日・祝 休 診

大田記念病院へのお問い合せ

周辺案内・交通

大田記念病院 診察受付時間
click
大田記念病院 診察受付時間

大田の医療

Medical Care
トップページ > 大田の医療 > 真の脳神経センターを目指して > 急性期再開通療法(tPA療法・血管内治療)
ステントリトリーパー

急性期再開通療法(tPA療法・血管内治療)

脳卒中などの「脳血管疾患」は、寝たきりの原因のなかで最も多い病気です。当院では、年間約1,200人の脳卒中患者さんが治療を受けています。そのうち、約70-75%が脳の血管が詰まって起こる「脳梗塞」、約20%が血管が破れて出血する「脳出血」、残りが「脳動脈瘤」という血管のこぶが破裂する「くも膜下出血」です。
脳卒中を疑ったら、できるだけ早期に治療を受けることが重要です。脳の血流が止まったために一度破壊された脳細胞は、元に戻ることがありません。このため、できるだけ早く治療を開始し、脳のダメージを抑えることが大事になります。
脳卒中で最も多い「脳梗塞」は、治療開始までの時間が短いと、実施できる治療法の幅が広がります。

tPA 療法

tPa療法について

tPA療法(血栓溶解療法):発症から4.5時間以内の急性期脳梗塞に対する標準的な治療です。tPAという薬剤は、詰まった血栓を溶かす作用があります。これを急速に点滴し、脳の血栓を溶かし、再度血液が流れるようにする治療です。日本では2005年10月に保険認可され、『発症から4.5時間以内に治療可能な虚血性脳血管障害で慎重に適応判断された患者に対して強く勧められる(グレードA)』1) とされています。また2019年3月には『発症時間が不明な時でも、一定の条件下ではこの治療を考慮しても良い(グレードC1)』2) が加わりました。
この治療は血栓を溶かす作用が強力であり、合併症として出血を引き起こすリスクがあるため、適用するにはさまざまな条件をクリアせねばならず、当院での、実施割合は脳梗塞全体の約8%にとどまります。また、tPA療法の有効性は、3割くらいと報告されており、残念ながら十分に高いとは言えません。
1) 脳卒中治療ガイドライン2015 2) 静注血栓溶解(rt-PA)療法適正治療指針第三版

tPA とは血栓溶解療法

血栓溶解療法

ステントリトリーバーを用いた血栓回収療法

血管内治療(血栓回収療法):tPA療法によって症状の改善が認められない場合や、治療の適応外の症例に対して、カテーテルを用いた「血栓回収療法」という血管内治療が行われます。この治療は、おおむね8時間以内に治療を開始した場合に適用されます。2014年に、2種類のステント型の血栓回収機器が認可されました。これは、ステントという網のような機器を頭の血管の中で広げて、詰まった血栓を「地びき網」のようにからめ取る方法です。近年の国際的な大規模研究により、上述のtPA療法に加えて、血栓回収療法を行った場合のほうが、tPA療法単独の場合より良好な回復が得られることが明らかとなりました。当院では、tPA療法を実施した症例について、24時間体制で、迅速に血栓回収療法を実施する体制を整えています。

ステントリトリーバー療法

自己拡張型ステントを広げ、血栓を溶かすのではなく、地引網のようにステントごと血栓をからめとる方法です。

ステントリトリーバー療法

Drip - Ship - Retrieve

血栓回収療法は、現状では、日本脳神経血管内治療学会専門医を有する病院でしか受けることができません。加えて、24時間いつでも実施できる病院は、非常に限られているのが現状です。このため最近では、地域連携によってtPA療法をしながら当院に搬送し、当院で血栓回収療法を行う「ドリップ・シップ・リトリーブ」という症例も増えています。当院は、備後地域の急性期脳卒中の基幹病院として、他院からの患者さんの搬送を積極的に受け入れています。

tPArと血管内治療の連携システム