2016年度 脳神経センター大田記念病院 病院指標

神経内科では脳梗塞症例数が全体の約40％を占めています。
脳出血の内科治療についても多い症例となっています。約60％の患者さんが急性期治療後に回復期のリハビリ目的などで転院されています。

脳神経外科で最も多いのは、「外傷性硬膜下血腫」や「外傷性くも膜下出血」に対する手術症例です。
次いで脳梗塞の原因となる動脈の狭窄や、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤に対する治療目的の症例が多く見られます。

循環器内科では、狭心症や心筋梗塞の治療前後に行う「心臓カテーテル検査」や、「心臓カテーテル治療」のための入院が65％以上を占めています。
この3症例の患者さんの平均年齢は70歳を超えています。

整形外科では、頚椎、腰椎椎間板へルニアが一番多く、次いで頚椎や腰椎の脊柱管狭窄症が多く見られます。
椎間板ヘルニアは脊柱管狭窄症に比べると平均年齢が15歳以上低くなっています。

外科では、誤嚥性肺炎（水や食べ物などが気管に入ってしまい、肺に炎症を起こす）が最多症例です。
誤嚥性肺炎患者の平均年齢は約80歳と高くなっています。

脳神経外科では慢性硬膜下血腫に対する「慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術」が最多の手術症例です。
次いで脳梗塞の原因となる内頚動脈の重度狭窄に対して行う「動脈血栓内膜的手術」、動脈瘤や動脈狭窄に対して細いチューブを動脈に挿入して治療する「脳血管内手術」の順となっています。

整形外科では、椎間板ヘルニアに対して行う「椎間板摘出術」が最多の手術症例です。
次いで頚椎症性脊髄症や脊柱管狭窄症に対して行う「脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術」となっています。
脊椎固定術を受ける患者さんの中で、前方椎体固定を受ける患者さんは他と比べて平均年齢が約20歳低いため転院率は0％となっています。

神経内科は内科的治療が中心ですが、患者さんの症状により脳神経外科と連携して手術（脳血管内手術）を行うことがあります。
その中でも「経皮的脳血栓回収術」が一番多い手術症例です。
「動脈血栓内膜摘出術（内頸動脈）」については、脳神経外科では当手術目的での入院症例が多く、神経内科では脳梗塞の治療過程で必要となり手術を実施することが多く、同じ名称の手術であっても、術前・術後日数などに違いが見られます。

循環器内科では、「経皮的冠動脈ステント留置術（その他）」が最多の手術症例です。
この手術は、狭心症や心筋梗塞で早急な治療を必要とする患者さんに対して、ステントを使用して狭窄部分を拡張する手術です。
その他、ペースメーカー移植術、四肢の血管拡張術・血栓除去術等も行っています。