アトピー性皮膚炎
医師が執筆した原稿をご一読ください。
患者さんからのご質問と回答
これまで当院の皮膚科に寄せられたご質問にご回答しています。お悩みの方はご参考ください。
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「発疹」や「湿疹」の対策について
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■患者さんからのご質問
「発疹」や「湿疹」のような状態で困っています。どのような対策をしていけば良いでしょうか?
■お答え
目で見えて、手で触ることができる皮膚の病変を「発疹」といいます。
発疹には以下の種類があります。
「紅斑:こうはん」皮膚の毛細血管の拡張によるもので圧迫すると赤みが消えます。
「丘疹:きゅうしん」皮膚表面から隆起したもので、多くは赤みを帯びています。
「膨疹:ぼうしん」虫さされ跡のように膨れている赤い斑の事で、じんま疹の時に出ます。
「水疱:すいほう」透明な液体が皮膚にたまったもので、これが濁って黄色くなると「膿疱」となります。
「鱗屑:りんせつ」皮膚表面から角質が大小の破片となってはがれ落ちる物です。頭のフケや、ひっかいたときの皮膚の白い粉が鱗屑です。
「痂皮:かひ」水疱や膿疱が破れると、内容の液体を厚く固まったものを作ります。これを痂皮といいます。一般的には「かさぶた」と読んだりします。
「きれつ・あかぎれ」皮膚にできる線の様な細い裂け目で乾燥や炎症によって怒ります。手の指・足の裏などのできやすいです。
「潰瘍:かいよう」真皮や皮下組織までの深部に及ぶ欠損で治っても跡が残ります。
「結節:けっせつ」皮膚の盛り上がりや、塊を作った状態で結節よりも大きい物を腫瘤といいます。腫瘤とは一般的には「こぶ」と呼ばれています。
上記の様に、発疹と一概に言ってもいろいろな状態が考えられます。皮膚に明らかに異常があり、変だと感じたら早めに皮膚科受診をしてください。
「にきび」のような水疱であっても適切な治療を行わないと跡が残ることがあります。痒くもないから放っておこうではなく、原因を一緒に探しましょう。
原因がわかれば適切な対処・治療が行えます。まずは、おかしいなと感じた所を見せてください。表示を閉じる -
「アトピー性皮膚炎」による痒み症状の対策について
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■患者さんからのご質問
「アトピー性皮膚炎」による痒み症状で困っています。どのような対策をしていけば良いでしょうか?
■お答え
アトピー性皮膚炎とは、かゆみのある湿疹を主な病変とする皮膚の病気です。
アトピー性皮膚炎はもともとアレルギー体質の人や、皮膚のバリア機能が弱い人に多く見られる皮膚の炎症を伴う病気です。
主な症状は「湿疹」と「かゆみ」でなかなか治らない慢性化するのが特徴です。湿疹の特徴は、ひっかくとジュクジュクした液体が出たり、皮膚がささくれ立って剥けます。おでこ・目のまわり・口のまわり・耳のまわり・首・わき・手足の関節の内側などに発生しやすいのです。
アトピー性皮膚炎の特徴は、冬場のカサカサ肌と病態は似ていますが、季節が関係なく、常に、かゆみと、湿疹の症状が発生する点です。
アレルギー物質が原因で発生することがわかっており、アトピー性皮膚炎の患者は、平常時でもセラミドと天然保湿因子が不足しています。そのため、皮膚の細胞と細胞に隙間ができやすく、皮膚バリア機能が弱くなりやすいため、アトピー性皮膚炎と診断されます。
常に湿疹を繰り返し、炎症がおこっているためにステロイドを使うというイメージが強いのですが、アレルギー検査などで、悪化原因を特定した生活改善や、食習慣改善、保湿習慣の改善を行い、症状が悪化しにくい条件を一緒に探し出していきましょう。
ステロイド剤も併用しますが、状態に併せて使用量を調整して治療していきますので、ステロイド薬の使用を怖がらずに治療に取り組んでいきましょう。表示を閉じる -
夜かゆくて眠れない時の改善方法
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■患者さんからのご質問
冬になり、空気が乾燥しているためか、手足や背中にかゆみが出て困っています。かゆみのため夜寝ている時に無意識にかきむしったりしています。症状をどのように改善したら良いか教えてください。
■患者さんからのご質問
かゆみの原因の多くは、皮脂欠乏症に伴う、皮膚の「バリア障害」です。
冬になる→空気が乾燥する→皮膚も乾燥する→皮膚バリアに障害が起きる→かゆみが発生する→掻きむしる→刺激でさらにかゆみが発生する。
というサイクルを繰り返していきます。「かゆみが出たら、『かゆみ止め』の塗り薬を使う」という思いもわからなくはないですが、かゆみの原因は、皮脂欠乏症ですので、保湿をしっかりと行い、肌の乾燥を徹底的に防いでいきましょう。
その上で、かゆみそのものの発生を抑制するために、「かゆみ止め」を処方しています。お風呂に入ることで起きる洗浄刺激もかゆみの発生原因だったりします。
診察に来院された場合、正しい洗浄法、保湿剤の使い方を指導させていただきます。きちんとお守りいただければ、掻かずにゆっくりぐっすり眠れるようになります。人それぞれの生活習慣によって対応が変わりますので、よりよい方策を一緒に考えていきましょう。表示を閉じる
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